1. ボビン巻きの基礎知識
完璧に巻かれたボビンは、美しい縫製や刺繍の仕上がりを支える「縁の下の力持ち」です。どんなに高性能なミシンや上質な糸を使っても、ボビンの巻きが不十分だと、縫い目の抜けや糸絡み、テンションの乱れといったトラブルを防ぐことはできません。本ガイドでは、ボビン巻きの基本から、正しいボビンの選び方、ミシンへの糸のセット方法、テンション調整やよくある失敗の対処法まで、プロの視点で詳しく解説します。初心者向け刺繍ミシンでも、業務用モデルでも、どなたでも実践できるステップバイステップの手順やコツ、プロのテクニックを紹介。毎回均一できつく、美しいボビン巻きを実現し、快適な縫製・刺繍ライフを始めましょう。さあ、最高のステッチを生み出す基礎を一緒に築いていきましょう!
目次
2. ボビン巻き手順ガイド
ボビン巻きは一見簡単な作業ですが、正しく行うことで縫い目の美しさや安定性が大きく変わります。どのミシンでも自信を持ってボビン巻きができるよう、具体的な手順をわかりやすく解説します。
2.1 準備:ボビン選びと糸のセット
まずは、ご自身のミシンに合った正しいボビンを選びましょう。ボビンは機種ごとに形状や素材が異なり、間違ったタイプを使うと糸絡みやミシンの故障を招くことも。例えば、Singerの上部挿入式(トップローディング)ミシンは透明のClass 15ボビンを、前面挿入式(フロントローディング)モデルは金属製ボビンを使う場合が多いです。必ずお手持ちのミシンの取扱説明書で適合するボビンを確認してください。
次に、糸コマ(スプール)をスプールピンにセットし、適切なスプールキャップで固定します。大きな糸コマには大きいキャップ、小さい糸コマには小さいキャップを使うことで、糸がスムーズに送り出され、絡まりを防ぎます。糸を上部のガイドに通し、ボビン巻き用テンションディスクにしっかりと挟み込んでください。ここで糸が緩いと、ボビンが均一に巻けず、後々の縫製トラブルの原因となります。
Brotherのコンピュータ刺繍ミシンでは、必ず推奨ボビン(例:SA156)を使用し、糸がプリテンションディスクの下を通っているか確認しましょう。Singerの場合は、ミシン本体に記載された点線ガイドに沿って糸をセットします。糸道がしっかりしていることで、テンションが安定し、均一なボビン巻きが可能になります。
2.2 巻き方のコツ:糸の固定とスピード調整
いよいよボビン巻きの開始です。ボビンの穴に糸端を内側から外側へ通し、ボビンを巻き軸(ワインディングスピンドル)にセットして、右側(または機種指定の方向)へスライドします。これで巻き取り機構が作動し、多くの機種では針が動かなくなります。
糸端を上に持ち、フットコントローラーやスタート/ストップボタンで巻き始めましょう。最初の数周は糸が外れないように軽く押さえます。数層巻けたら一旦止め、余分な糸端をボビンの表面ギリギリでカットしてください。
巻くスピードは中速〜やや速めが基本です。ほとんどのミシンは高速巻きに対応していますが、金属糸や伸縮性のある特殊糸の場合は、切れやすいため低速で巻くのがコツです。糸がボビン全体に均等に巻かれているか目で確認し、片側に偏る場合は指や道具で軽く誘導して調整してください。多くのミシンは満タンになると自動停止しますが、必要な量で手動停止も可能です。
2.3 仕上げとボビンのセット
ボビンがいっぱいになったら、仕上げに入ります。余分な糸端をボビン表面ギリギリでカットし、ほつれや絡まりを防ぎましょう。
糸の巻き量は、ボビンの縁と同じ高さが目安です。糸があふれていると、ボビンケース内で糸が外れたり、詰まりの原因になります。
ボビンをセットする際は、向きに注意しましょう。多くのドロップイン(上部挿入式)ミシンでは、糸端が左上から出て、糸を引くとボビンが反時計回りに回転するのが正しい向きです。フロントローディングの場合は、機種によって時計回り指定もあるので、必ず取扱説明書で確認してください。ボビンをケースに入れ、糸を溝に通して軽く引っ張り、しっかり固定します。
ボビンカバーを戻せば、あとは上糸をセットして縫い始めるだけ。きちんと巻かれ、正しくセットされたボビンが、スムーズでトラブルのない縫製・刺繍を約束します。
3. 均一でしっかり巻かれたボビンを作るプロのコツ
どんなに丁寧な刺繍職人でも、ボビンに関するトラブルは避けられません。しっかりと均一に巻かれたボビンを作るには、単に手順を守るだけでなく、細かなポイントを理解することが大切です。ここでは、ボビンワークをワンランクアップさせる方法をご紹介します。
3.1 糸選びとミシンのセットアップのベストプラクティス
糸の品質は極めて重要です。安価な糸や古い糸は、毛羽立ちやすく切れやすい上に、巻きが不均一になりやすいため、糸詰まりや縫い目の乱れの原因となります。必ず高品質でミシンに合った糸を選び、できる限り上糸とボビン糸を同じ種類に揃えましょう。これによりテンションが安定し、美しい縫い目が実現します。
スプールピンやキャップの使い方も重要なポイントです。ジグザグ状に巻かれたクロスワウンド糸の場合は水平スプールピンを使い、糸が上から引き出されるようにします。平行に巻かれたスタックド糸の場合は垂直ピンを使い、糸が側面から引き出されるようにしましょう。正しいキャップでスプールをしっかり固定し、グラつきや糸絡みを防ぎます。
糸通しの経路は単なる飾りではありません。特にプリテンショナーやテンションディスク周辺は、ミシンのガイドに忠実に従って糸を通しましょう。糸通し後に軽く引っ張ってみて、きつすぎず緩すぎず、適度な抵抗があるか確認してください。このひと手間が、後々のトラブル防止につながります。
3.2 完璧なテンションを実現する上級巻き取りテクニック
「だらしない」ボビン――糸が緩く、偏って巻かれていたり、片側に糸が溜まってしまうことはありませんか?そんな時は、以下の上級テクニックを試してみてください。
- フロッシング(糸のこすり合わせ): ボビンワインダーのテンションディスクに糸を巻き付ける際、歯を磨くように糸を前後にやさしく動かして、ディスクの間にしっかりと糸を収めます。これにより、最初から安定したテンションが得られます。
- 360度巻き付け: 標準の経路でテンションが足りない場合、一部のミシンではテンションディスクに糸を一周(360度)巻き付けることで、より安定したテンションを得られます。
- 手動ガイド: ボビンが巻かれている間、糸の分布をよく観察しましょう。もし糸が片側に偏り始めたら、指や丸い道具でやさしく左右に誘導します。これで糸が均一に重なり、偏りや絡まりを防げます。
- スピードコントロール: 標準的な糸の場合は中速が最適です。メタリック糸や伸縮性のある糸の場合は、糸切れや伸びを防ぐためにゆっくり巻きましょう。
衣類刺繍などで作業する場合、枠はめ時の生地の安定性もボビンテンションに影響します。マグネット式刺繍枠、特にMaggieFrameのような製品は大きなアドバンテージとなります。強力な磁力で生地をしっかりとフラットに保ち、ズレによるテンションの乱れや糸絡みを最小限に抑えます。安定した土台があれば、理想的なボビンと美しい刺繍が実現できます。
プロのようにボビンを巻く準備はできましたか?これらのコツを押さえれば、トラブル対応に悩む時間が減り、創作に集中できます。きれいな縫い目も、あなたの心も、きっと満足するはずです。
4. ビジュアルガイド&機種別ボビン巻き取り手順
ボビン巻きの工程は、実際に目で見るのが一番わかりやすいものです。ビジュアル派の方も、手順を再確認したい方も、これらの動画や機種別のプロトコルで自信を持ってボビン巻きをマスターしましょう。ここでは、一般的な動画チュートリアルからBrotherやSinger機種のステップバイステップまで、要点を分かりやすく解説します。
4.1 一般的な動画チュートリアル解説
「誰か隣で教えてくれたら…」そんな時は、動画チュートリアルが最強の味方です。YouTubeの人気ガイドやプロのデモンストレーションに共通する、普遍的な手順とコツをまとめました。
- テンションディスクへの糸通し: 巻き取り前に必ず糸をミシンのテンションディスクに通しましょう。この工程が糸の張りを保ち、ボビンがしっかり均一に巻かれるカギです。省略すると、だらしないボビンやトラブルの元に。
- ボビンのセットとロック: ボビンを巻き取り軸にしっかり差し込み、「カチッ」とロックされるまで押し込みます。軸をロック(多くは右にスライド)すると、針が動かずボビン巻きだけが作動します。
- ボビンへの糸通し: ボビンの穴に糸を内側から外側へ通し、糸端を上にまっすぐ持ち上げます。最初の数回転で糸がしっかり固定されます。
- スピードコントロール&自動ストッパー: 安定した速度で巻き始めましょう。多くの最新機種(Brother SQ9285やGammillなど)は、ボビンが満タンになると自動で停止します。自動機能がない場合は、糸がボビンの端と揃った時点で手動で止めましょう。
- 糸のカットと取り外し: 巻き終わったら余分な糸をカットし、軸を元の位置に戻して、完璧に巻かれたボビンを取り外します。
プロのコツ: 糸が片側に偏って巻かれている場合は、指や丸い道具でやさしく誘導し、均一に分布させましょう。また、機種ごとの細かな違いは必ず取扱説明書で確認を!
チュートリアル動画の注目ポイント
- Brother SQ9285: 糸は2つのガイドとプリテンションディスクの下を通り、ボビンに時計回りで巻き付けます。巻き終わり後はスピンドルを左にスライドしてロック解除。
- Singer M1250: 点線の糸ガイドに沿って糸を通し、スピンドルをセット。ボビンをセットする際は反時計回りに回ることを確認。
- 一般アドバイス: 必ず機種に適したボビンを使用しましょう。異なるタイプを混用すると、糸詰まりや故障の原因になります。
実際のデモンストレーションを観ることで、不安や疑問が一気に解消されます。ご自身のミシンに合った動画をぜひチェックしてみてください。
4.2 Brotherミシンのボビン巻き取り手順
Brother製ミシン(CS-80、CE1100PRW、SQ9285など)は、スムーズでミスのない巻き取りのために特有のステップがあります。
- 正しいボビンを使用: Brother認定のボビン(SA156やSFBモデルなど)のみを使用しましょう。その他のボビンは故障や不具合の原因となります。
- 糸のセットアップ:
- スプールピンを立て、糸スプールを丸いキャップが左側になるようにセットします。
- 糸を2つのガイドとプリテンションディスクの下に通します。これが均一な巻き取りに不可欠なテンションを生みます。
- ボビンのセット:
- ボビンをワインダーシャフトにセットし、スプリングとボビンの切り欠きを合わせます。
- 糸をボビンに時計回りで5〜6回巻き付け、内蔵カッターで余分な糸をカットします。
- 巻き取り開始:
- ボビンワインダーシャフトを右にスライドしてロックします。
- 糸端を上に持ち、フットコントローラーまたはスタート/ストップボタンで巻き取りを開始します。
- ボビンが満タンになると自動停止、または手動で止めます。
- 取り外しと挿入:
- シャフトを左に戻してボビンを外します。
- SQ9285の場合、ボビン挿入時は糸が「P」の字になるよう左側から出ることを確認してください。
重要な注意: 認定外のボビンは絶対に使用しないでください。Brotherミシンは専用のサイズ・形状に合わせて設計されており、誤ったボビンはテンション不良や故障の原因となります。
4.3 Singerミシンのボビン巻き取り手順
Singer製ミシン(Tradition、M1250など)は、独自の巻き取りリズムがあります。スムーズな作業のためのポイントをまとめました。
- ミシンの準備:
- 針と押さえ金を上げます。
- 糸スプールを水平にスプールピンにセットし、キャップで固定します。
- 糸通し:
- 糸をテンションディスクに通し、ボビンの穴に入れます。
- ミシン上部の点線ガイドに沿って正しい経路で糸を通します。
- ワインダーのセット:
- ボビンワインダーを右に押してセットします。
- 糸端を持ち、フットコントローラーを踏んで巻き取り開始。
- 巻き取りと停止:
- ボビンが満タンになるまで巻きます(機種によっては自動停止)。
- ワインダーを左に戻して解除し、糸をカットします。
- 挿入:
- ボビンをケースにセットする際は、必ず反時計回りに回ることを確認してください。これが糸絡みやテンション不良防止のカギです。
機種別のポイント:
- M1250は点線ガイドに沿った糸通しを強調しています。
- Traditionモデルでは、ボビンをワインダーにしっかり押し付けてセットするのがコツです。
ご注意: Singerミシンは必ずボビンが反時計回りに回転する必要があります。取扱説明書やミシン本体のガイドをよく確認しましょう。
5. よくあるボビンのトラブルとその解決法
どんなに慎重な刺繍職人でも、ボビンのトラブル――糸の滑り、巻きムラ、糸切れや絡まり――に悩まされることがあります。ここでは、こうしたよくある問題を一つずつ解決し、スムーズで途切れない縫製作業に戻れるようサポートします。
5.1 糸の滑りや巻きムラの対策
ボビンから糸が滑ったり、巻きが均一でない場合は? 以下の手順で改善しましょう。
- ボビンの位置確認: ボビンがワインダースピンドルにしっかりと「カチッ」とはまっているか確認します。ずれたままだと糸滑りや巻きムラの主な原因となります。
- テンションディスクの通し忘れ防止: 糸は必ずボビン巻き用テンションディスクに通しましょう。ここを省略すると、緩くて乱れた巻き上がりになります。巻きムラが続く場合は、糸をディスクの間で左右に動かしながらしっかりフィットさせてみてください。
- スプールと糸の扱い: 滑りやすい糸には糸ネットを使い、絡まりを防止しましょう。プラスチックボビンは7割程度までしか巻かないこと。詰めすぎると割れや滑りの原因になります。
- 手でのガイド: 巻きが片側に偏って「コーン状」になり始めたら、指で糸を左右にそっと誘導して均一に巻きましょう。これで糸の重なりや偏りを防げます。
- 機種ごとの微調整: コーン状やテーパーが続く場合はテンショナーの高さを調整しましょう。また、ボビンケース内のホコリや糸くずは定期的に掃除し、回転をスムーズに保ちます。
- 巻きすぎ防止: 自動停止機能を活用するか、糸がボビンの縁と同じ高さになったら手動で止めましょう。巻きすぎたボビンは縫製中に滑ったり詰まったりします。
衣類刺繍のプロのコツ: 衣類刺繍の場合、枠はめ時の生地のズレがボビントラブルを悪化させることがあります。MaggieFrameのようなマグネット枠は強力なグリップで生地をしっかり固定し、テンションムラや糸トラブルのリスクを最小限に抑えます。均一なクランプ力で、ボビンの巻きや縫いも安定します。
5.2 糸切れ・絡まりの解消法
糸切れや絡まりは厄介ですが、順を追って対処すれば必ず解決できます。
- テンション調整: ボビンのテンションが強すぎると糸切れの主因になります。テンションネジを少し(反時計回りに)緩め、端布でテストしましょう。しっかりしているが固すぎない感触が理想です。改善しない場合は、機械の損傷を防ぐために専門の刺繍機修理が必要なこともあります。
- 糸の通り道確認: 糸がすべてのテンションディスクやガイドを正しく通っているか再確認しましょう。通し忘れやディスクのホコリはテンションムラや絡まりの原因です。
- スピンドルのメンテナンス: 長期間使用すると、ボビンワインダースピンドルが圧縮されて緩くなり、巻きムラの原因になります。必要に応じてマイナスドライバーでスピンドルを優しく広げてください。
- 糸の品質と相性: 古くて劣化した糸や低品質な糸は切れやすいので、新しいものに交換しましょう。針のサイズも糸の太さに合わせて選ぶとパフォーマンスが向上します。
- 一定速度で巻く: 巻き速度が不安定だったり速すぎたりすると、糸が緩んだり巻きムラが生じやすくなります。適度な速度で、必要に応じて手で糸をガイドしてください。
- 自動停止機能の調整: 自動停止が効かない場合は、センサー部を調整して8割程度で巻き止めるようにしましょう。巻き終わったら余分な糸は必ずカットしてください。
- 定期的な掃除: ボビン周辺や送り歯にホコリや糸くずが溜まらないよう、こまめにメンテナンスしましょう。これだけで多くのトラブルを未然に防げます。
これらのポイント――位置調整、テンション、速度、清掃――を意識すれば、ボビンの糸切れや絡まりも怖くありません。
6. 特殊糸や太い素材のボビン巻き
メタリック糸や伸縮性糸、太い糸を使う場合、ボビン巻きには少しコツが必要です。素材ごとのポイントを押さえれば、どんな糸でも美しく巻き上げられます。
6.1 メタリック糸・伸縮性糸のテクニック
メタリック糸の場合:
- 低速巻き: メタリック糸は非常に繊細で切れやすいため、最も低い速度で巻き、摩擦や切れを防ぎます。
- 糸立ての使用: 糸立てを使うことで、糸が絡まずスムーズに送り出されます。
- テンション: 標準のテンションを保ちつつ、糸がテンションディスクにしっかり収まっているか再確認しましょう。
伸縮性糸の場合:
- テンションを緩める: 伸縮性糸は通常より約10%テンションを緩めて巻きます。糸の伸びに対応するためです。
- 手で優しくガイド: 糸を優しく誘導し、ボビンの巻きすぎを避けましょう。
共通アドバイス:
- 巻き始めは必ず糸端をしっかり固定し、滑りを防ぎます。
- 巻き始めたら余分な糸端はボビンの近くでカットしましょう。
6.2 太い糸・厚手生地の対策
太い糸(例:120番手):
- 8〜9割まで巻く: ボビンは8〜9割程度までに留めましょう。詰めすぎるとテンション不良や縫いムラの原因になります。
- テンションネジの調整: ボビンケースのテンションネジを1/4回転ずつ緩め、糸が圧迫されすぎないよう調整します。
- TOWAゲージの活用: 精密なテンション管理にはTOWAボビンテンションゲージを使い、数値で確認しましょう。
厚手生地の場合:
- 機種ごとのセットアップ:
- 上置きボビン式の場合は、ボビンが反時計回りに回転し、スムーズに回るか確認しましょう。
- 前面ボビン式は、取扱説明書の指示通りにボビンケースをセットしてください。
よくあるトラブルと対策:
- 糸切れ: 巻き速度やテンションが強すぎると発生しやすいので、速度を落とし、糸端の扱いにも注意しましょう。
- 絡まり: メタリック糸は糸立てやガイドを使い、ボビンの巻きすぎは絶対に避けましょう。
- 縫い目の不安定: 巻き時に糸がテンションディスクにしっかり収まっているか再確認してください。
機種別アドバイス:
- Husqvarna Vikingなどのブランドでは、必ず純正ボビンを使用し、特殊糸は針を通さずボビンスピンドルで巻くことが推奨されています。
これらの特殊素材への対策を押さえれば、メタリック糸・伸縮糸・太糸でも、標準糸と同じように自信を持ってボビン巻きができます。絡まりも切れもなく、小規模ビジネス向け刺繍機でプロ品質の仕上がりを実現しましょう。
どんなボビンの悩みもこれで解決!ビジュアルガイドやトラブル対策、特殊糸のコツを活用すれば、あなたの刺繍・ソーイングは大成功間違いなし。取扱説明書を手元に置き、テクニックを練習し、必要に応じて何度でもこの手順を見返してください。
7. ボビンの長期メンテナンスと保管方法
完璧なボビンは巻き方だけではありません。糸巻きが終わった後のケアこそが大切です。一針一針を美しく仕上げるためには、ボビンの扱いと保管のコツをマスターする必要があります。ここでは、ボビンとミシンを長く快適に使い続けるための習慣をご紹介します。
7.1 耐久性を高める最適な糸巻き
ボビンはすべての作品の土台です。巻き方が不十分だと、どんな高性能なミシンでも糸飛びや絡まりを防げません。長持ちする糸巻きのポイントは以下の通りです。
- ゆっくりと安定した速度で: 一部のガイドでは高速巻きを推奨していますが、糸の伸びやテンションのムラを防ぐには、適度な速度で安定して巻くことが最適です。速すぎる巻きは糸のダメージや不均一なボビンの原因となります。
- 正確な糸の通し方: 必ずボビンの指定された穴に糸を通しましょう。このひと手間で糸がしっかり固定され、絡まりを防ぎ、最初から均一に巻くことができます。
- 糸端の処理: 数回巻き付けてから糸端をボビンの近くでカットします。決して引っ張ったりせず、テンションが崩れないように注意しましょう。
- 巻きすぎない: ミシンにストッパーがある場合は必ず使用し、糸がボビンの縁と同じ高さになったら巻きを止めます。巻きすぎると糸が溢れ、絡まりやミシンの故障につながります。
- 途中まで巻いたボビン: 残り糸のあるボビンは、満タンのボビンと分けて保管しましょう。混ぜてしまうと作業中に混乱したり、糸を無駄にする原因になります。
これらの習慣を守ることで、糸の無駄を減らし、安定した美しい縫い目を長く楽しめます。
7.2 保管方法とミシンのお手入れ
きれいに巻いたボビンは、しっかりとした保管場所が必要です。引き出しに無造作に入れると、絡まりやホコリ、ストレスの原因に。ボビンを整理し、ミシンを快適に使うためのコツをご紹介します。
| 保管方法 | 収容量 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ボビンボート | 10個 | 色ごとに整理・絡まり防止 | 糸巻きと一緒に保管できない |
| タックルボックス | 可変 | 手頃な価格・仕切りで整理可能 | 色合わせがしづらい |
| ジュエリーオーガナイザー | 縦型 | 省スペース・透明ポケットで見やすい | クローゼットや吊り下げスペースが必要 |
| ピルボトル | 1~2個 | コンパクト・再利用可能 | 容量が少ない・糸端の管理ができない |
- 糸端の管理: ヘアゴムや輪ゴムで糸端をしっかり固定しましょう。これだけで絡まりを防ぎ、保管時のストレスも減ります。
- 持ち運びには: タックルボックスなど硬いケースを使うと、移動中もボビンが動かず、糸が守られます。
- ミシンのお手入れ:
- ホコリの除去: 針板下や送り歯、ボビンケースは、柔らかいブラシやパイプクリーナーで定期的に掃除しましょう。エアダスターなどで吹き飛ばすと、ホコリが奥に入り込むので避けてください。
- 注油: パイプクリーナーやブラシにオイルを一滴だけつけ、フック機構を潤滑します。ただし、機種によっては注油不要の場合もあるので、必ず取扱説明書を確認してください。
- 糸の移し替え: 間違った種類のボビンに糸を巻いた場合は、正しいボビンに巻き直して、フィット不良やテンションのトラブルを防ぎましょう。
- 重要なポイント:
- 各刺繍機ブランド純正のボビン(Class 15、Mなど)を必ず使用し、滑りや詰まりを防ぎましょう。
- 機種ごとの掃除・メンテナンス方法は、必ず取扱説明書を参照してください。
これらの保管・ケアのコツを取り入れることで、ダウンタイムを最小限に抑え、ボビンやミシンの寿命を延ばし、創作の流れを止めずに楽しめます。
8. まとめ:美しい糸巻きのためのポイント
完璧なボビン巻きは、美しい縫い目を支える縁の下の力持ちです。巻き速度のコントロール、糸端のきれいな処理、巻きすぎを避けること、そして必ずミシンに合ったボビンを使うことを忘れずに。定期的な掃除と工夫された保管で、道具も創作意欲もいつでもベストな状態に。これらの習慣を実践し、取扱説明書を参考にすれば、毎回スムーズでストレスのないソーイングが楽しめます。
9. よくあるご質問(FAQ)
9.1 Q: ボビンが均一に巻き取れないのはなぜですか?
A: ボビンの巻き取りが不均一になる主な原因は、テンションディスクへの糸の通し方が正しくない場合や、巻き取り速度が一定でない場合です。糸がしっかりとテンションディスクに収まっているか確認し、安定した適度なスピードで巻き取りましょう。それでも問題が解決しない場合は、ミシンの糸通し経路を再確認し、機種ごとの詳細は取扱説明書を参照してください。
9.2 Q: プレワウンドボビン(既製巻きボビン)は再利用できますか?
A: はい、ご使用のミシンに対応していれば、プレワウンドボビンを再利用することが可能です。ただし、必ずボビンの種類を確認し、ボビンケースにしっかりと収まることを確かめてください。そうすることで、テンションの乱れや糸絡みを防ぐことができます。
9.3 Q: テンションディスクはどのくらいの頻度で掃除すればよいですか?
A: 定期的なお手入れが重要です。数回の刺繍プロジェクトごと、またはホコリや糸くずが溜まってきたと感じた時には、テンションディスク・ボビンケース・釜周辺をブラシなどで掃除しましょう。掃除のタイミングや方法については、必ずご使用のミシン取扱説明書の指示に従ってください。
